アレがありません

総社市井手の大森歯科医院です。
何だかよく分からないこのタイトル、本日は当院にはない「あるもの」のご紹介です。
天井が高い開放的でゆったりした空間が、当院診療室のおススメポイントですが、この診療室には、多くの歯科医院でみられるあるものがありません。
さて、それは何でしょうか。

天井に向かって広がる空間をさえぎる「あれ」がありません。

歯科医院に定期的に通っている方、もしくは歯科のお仕事をされているかたは気づかれたかもしれませんね。
それは、これ↓です。

正解は、診療チェアに固定されたライトです。

正解は、診療チェアに長いポールで固定されているライトです。このライトは、治療中のお口の中を照らして、安全にきめ細やかに治療をするために用いるものです。歯科治療はになくてはならない大事なもののひとつなのですが、当院ではそれを外してもらいました。大きな理由は2つあります。
一つ目は、ライトの調整が難しいことです。お口の中の治療したい部位に、ピンポイントでライトを合わせるのは、なかなか難しく、慣れや経験が必要です。患者さんの目に光が入らないようにするのはもちろん、治療する歯科医師やアシスタントの手や頭で影ができない位置にライトを設置することも大切です。一本の歯でも、治療する部位が変わると、光を当てる方向を変える必要があり、そのたびに治療の手を止めライトの位置や角度を調整しなくてはなりません。一番見たい場所が今一つ照らせていないなぁ・・・とため息をつきながら、ライト調整のために立ち上がったその瞬間頭上のライトで頭をゴツン、は歯科ではよく聞く笑えない話です。
もう一つの理由は、患者さんの圧迫感を軽減することです。お顔のすぐ真上にライトがあると、圧迫感を感じる方も多いようです。チェアとライトにお顔をはさまれた状態での歯科治療は、逃げ場がないような息苦しさがあるという声も聞かれました。ライトが照らす範囲も比較的広いので、少し目線を動かすと視野にまぶしい光を感じてしまうのも時としてストレスに感じる方もいらっしゃるようです。
では、チェアライトのない当院ではどうやって明るい視野で治療をしているのかといいますと、

拡大鏡の真ん中、眉間あたりにあるライトでお口のなかを照らします。

治療する部位を約6倍に拡大する歯科用ルーペに取り付けられたライトで術野を直接照らします。
このライトの優れているところは、目線の先(治療したい部位)を自動的に照らしてくれることです。
見たい場所に自分の目線を合わせれば、そこは常に明るく照らされます。頭の影ができることもありません。治療の手を止めてライトを合わせる必要がないので、歯科医もアシスタントも治療に集中できます。
照射範囲もピンポイントなので、患者さんの視界にも入りずらい・・・などなど、いいことがたくさんのこのライトなので、近年では、多くの歯科医師が(拡大ルーペと合わせて)ライトを使用して明るく良く見える歯科治療を行っていると思われます。
ただ、チェアのライトを取り外してしまった例を、今まで聞いたことがありません。うちも!という先生がいらっしゃいましたらぜひお知らせ頂きたいほどです・・・。
なんとなくマイナスイメージのことばかりお伝えしてしまいましたが、チェアにそなえつけられたライトにもよい点がたくさんあり(それはまたいつかの機会に)、万一拡大ルーペのライトが故障した時などに備えるためにも、当院にもライトつきチェアは一台設置しており、毎日の診療を縁の下で支えてくれています。
ライトについての熱い思いで、ついつい長い投稿になってしまいましたが、治療部位を明るく照らして(ついでにしっかり拡大して細かい部分もきちんと見逃さない)安全できめ細やかな治療を行うことが、当院ドクターのこだわりです。
・・・冒頭でお伝えした「さえぎるもののない広々した空間」は、↑のような理由でライトを外したら、結果的についてきた、ステキな副産物なのでした。