腫れや痛みをくり返す親知らずについて
総社市井手の大森歯科医院です。
先日は、親知らずの下で進行する隠れむし歯についてお話しました。
本日は、腫れて痛みが出て・・・しばらくがまんしたら治まって・・・、
をくり返す親知らずの周りで、どんなことが起こっているのか?
この症状をくり返さないためにはどうすればよいのか?
についてお話します。
このレントゲンの患者さんは、右下(左下もなのですが)の親知らずの下に黒い影が映っています。
この黒く映っている部分は顎の骨が溶けていて、感染した組織がぎっしりと・・・。
この感染組織を抱えたままでいることが、親知らずの周りが腫れたり痛みがでる原因になっています。
このようになってしまうと、放っておいて自然に骨が回復してくることはありません。
そればかりか、骨が溶ける範囲は徐々に広がってくることもあります。
この範囲が下顎の大きな神経(下歯槽神経)にまで波及してしまうと、強い痛みが出たり、唇や顎の皮膚に知覚麻痺が生じることがあります。また、1つ前の歯の根の先に達してしまった場合は、その歯の神経が感染してしまい、神経を取る治療が必要になることもあります。
では、このような状況にならないためにはどうすればいいのか?
それは、親知らずを抜歯して、その周囲の感染組織を取り除いてから骨が回復してくるのを待つしかありません。
親知らずが腫れて強い痛みが出ているような場合は、麻酔が効きにくいため、抜歯を行えない場合があります。また、親知らずを抜歯する際には、その周囲がどうなっているかをCT撮影して精査することも重要です。さらに、抜歯は侵襲性のある外科治療なので、全身状態(服用しているお薬や、今の体の状態、既往歴など)もきちんと確認してから行う必要があります。
そう。親知らずの抜歯は、ものすごーく痛くなっても、すぐには行うことが難しいのです。
親知らずが時々腫れたり痛んだりする方は、お早めにご相談くださいね。
しっかりと精査した上で、必要な場合は抜歯をご提案いたします。
また、大切なイベント(受験やお仕事が忙くなる時期)の時に親知らずの痛みに煩わされないよう、抜歯の時期についても考慮してご提案いたしますので、受診時にお伝えくださいね。